日本人って、いいなあ!
韓国のイ・サンファ選手、前回オリンピックでは圧倒的な強さで、他の選手を寄せつけなかった。
そして、オリンピック連覇。
今回のオリンピックでは、まだ全盛時の調子ではなかったと思われるが、地元開催ということもあり、期待を一身に背負い、その重圧は相当なものだったろう。
その一組前に滑り、オリンピックレコードを叩き出した小平選手。
騒然とする会場を、イ・サンファ選手のスタートに配慮して、
「静かにして!」と、そっと、指を口にあて、会場を静まらせる配慮をみせた。
レース後、イ・サンファ選手に駆け寄り、抱きかかえて声をかける小平選手。
「あなたは、よくここまで調子を戻してきた」
「よく頑張った」
「私は、あなたのことを尊敬している」
「誰かが認めてあげないと、
自分を保つことができなくなる、
私にもそういうときがあるので、彼女の気持ちはよくわかる」
と、小平選手は言った。
女子ジャンプの高梨選手。
ソチオリンピックでは、金メダル確実と言われ、
まだ16歳の少女には、抱えきれない、相当な重圧だったと思う。
結果は4位だった。
そのとき、一緒にオリンピックに出場していた伊藤選手。
「また、一緒にこの場に戻ってこようね」と高梨選手に声をかけた。
オリンピック後、
自分自身も、ワールドカップで優勝するなど、
かなり力をつけてきていた。
今回のオリンピック、
自身は、風を受けられず、結果に結びつかなかったが、
それでも、高梨選手の銅メダルが決まった時、
真っ先に駆けつけて
「おめでとう!」「よかったね!」
と抱きしめて声をかけた。
ソチオリンピック以降、一緒に世界を転戦する中で、
高梨選手の重圧からくる苦悩を、
自分のことのように感じ、「思いやっていた」のだろう。
金メダルを獲得した羽生選手。
彼の振る舞いを見ていると、
随所に「礼儀正しさ」が見られる。
他にも、メダルを獲れた選手だけでなく、
惜しくも獲れなかった選手からも、自分を支えてくれた人たちへの
感謝の言葉を聞くことができる。
こういう選手たちを見ていると、
「日本人っていいなあ!」って思えてきて、
なんだか、うれしくなってくるのだ。
時代は変われど、
「日本人の心の美しさ」を、
きっちり受け継いでくれているのだ。
その御蔭で、私はここのところ、「清々しい気持ち」で過ごせている。
選手のみんな「ありがとう!」なのだ。